ヨウ素(ヨード)は甲状腺ホルモンの材料として欠かせないミネラルで、体内ではその多くが甲状腺に存在します。
甲状腺ホルモンには、サイロキシンとトリヨードサイロニンの2種類があり、どちらにもヨウ素が含まれます。
甲状腺ホルモンの役割は、細胞の新陳代謝をよくして、基礎代謝を促進し、エネルギーを産生するほか、交感神経を刺激し、体温や脈拍、呼吸などを調節します。子どものときには成長や発達に使われます。
ヨウ素は摂りすぎても不足しても甲状腺が腫れます。
ヨウ素の摂りすぎによって甲状腺の機能が亢進すると、動悸や息切れ、だるさ、発汗、手のふるえ、体重の減少などの症状が出ます。昆布の粉末で過剰症になった例が報告されています。また、それとは逆にヨウ素の取り過ぎで甲状腺の機能が低下する場合もあります。
一方、欠乏した場合には甲状腺機能低下症になります。寒気、むくみ、便秘、乾燥肌、脱毛、集中力の低下などがあらわれますが、ほかの病気とまぎらわしく、診断がつきにくいようです。
食事摂取基準によるヨウ素の推奨量は、18歳以上は男女とも1日150μgで、上限量は3000μgです。
ヨウ素はこんぶ、わかめなどの海藻類、えびやかき、いわし、カツオ、サバなどの海の魚に多く含まれており、日本人では不足することはまず考えられないため、サプリメントで補充する必要はありません。
めかぶはわかめの茎の両側にあるヒダで、ミミとも呼ばれます。わかめの生殖器官であり、春から初夏にかけて泳ぐ胞子(遊走子)を数億個放出します。
旬は3月から4月で、この時期には生のものが出回ります。細切りを味つけしてパックしたもののほか、乾燥品、顆粒なども市販されています。
奈良時代から貢ぎ物として珍重されていたようで、乾燥品は民間薬としても使われました。
タンパク質や糖質が多く、ネバネバした成分はフコイダンという多糖類(=食物繊維)です。アルギン酸などほかの種類の食物繊維も豊富に含まれています。うまみのもとはアラニン、グリシンといったアミノ酸や糖アルコールのマンニットです。
ビタミンA、B1、B2、カルシウム、リン、鉄、上記のヨウ素など、ビタミンもミネラルも含まれています。わかめをはじめとする褐藻類に特有のカロチンであるフコキサンチンは、発がん抑制効果があるのではないかと注目されています。
生のものが手に入ったら、熱湯にさっと通し、色が変わったら、すぐに冷水にとります。水気をきって冷やしてから使います。包丁で切るときにはすべるので、気をつけて。軽く乾燥させてから切るといいでしょう。ネバネバがより楽しめるので、包丁でたたくのもおすすめです。
生のままでも加熱したものでも日持ちがしないため、できるだけ早く食べきりましょう。冷凍をするのも方法です。
納豆と同じように、ねぎやかつおぶし、しょうゆなどを混ぜて、めかぶ丼として食べるのはおいしいものです。細かく切ってサラダに入れてもいいですね。すりおろして、とろろ状にすることもできます。酢はフコイダンの構造を変えるため、酢の物はさらさらとした食感になります。旬の今、栄養豊富なめかぶをたっぷり食べたいですね。











