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vol.118 健康編 栄養素 セレン
微量に存在するミネラルの一種で、肝臓や腎臓に多く分布しています
がんを防ぐのにも役立つ大切なミネラル

セレンは体内に微量に存在するミネラルの一種で、体内には10mg程度あり、肝臓や腎臓に多く分布しています。

セレンは酵素グルタチオン・ペルオキシダーゼの成分として、大切な役割を担います。この酵素は、過酸化物質を分解して、動脈硬化やがん、免疫力の低下、老化などを防ぐのに働くと考えられます。セレンの不足ががんの発生と関係するというデータも出ています。また、プロスタグランジンという血圧や痛みに関係するホルモンを作るのにも必要です。

とはいえ、必要量が少ないため、日常の食事で足りなくなることはほとんどありません。

ただ、不足すると心筋障害が起こることがわかっています。中国の克山という地域に多く発生した心筋障害(克山病)は、土壌に含まれるセレンの濃度が低いために、食物から摂れるセレンが不足したことが原因であったと解明されたことがあります。

逆に、大量に摂ると中毒を起こし、頭痛、嘔吐、下痢、しびれ、脱毛、爪の変形、肌荒れなどが起こります。

ビタミンEと一緒に摂ることで効果に期待

1日の推奨量は、男性は18〜29歳、50歳以上が30μg、30〜49歳が35μg、女性は18歳以上は25μg、妊娠中の女性は+4μg、授乳中の女性は+20μgです。上限量は男性は18〜69歳が450μg、70歳以上は400μg、女性は18歳以上は350μgです。

男性のほうが多く必要になるのは、セレンが前立腺と睾丸につながる精管に多く分布し、精液に入って出てしまうことも関係があるようです。

あじ、いわしなどの魚介類、肉類、とくに内臓、また、にんにくや玉ねぎ、ブロッコリーなどの野菜に含まれています。野菜は土壌の影響を受けやすいのですが、日本で食べられている野菜はセレンが少ないということはなさそうです。

なお、セレンはビタミンEと一緒に摂ると効果が高まるとされています。

食材編 魚介類  鯉
タンパク質やミネラルが豊富です
昔からタンパク源として親しまれてきました

鯉の旬は秋から冬であることをご存じでしょうか。この時期は、鯉はあまりえさを食べず、体脂肪が減って、泥臭さも抜け、味がよくなっているのです。

鯉はコイ目コイ科の淡水魚です。川や池、沼にすむ野生種は真ごいで、ほかに飼育種があります。

鮒(ふな)と似た形ですが、上あごに4本ひげがあるのが鯉で、すぐに見分けられます。原産地は中央アジアといわれています。産卵期は4〜7月で、稚魚は1年で全長15cmくらいに育ち、その後、大きいものでは体長1mにも達します。

天然物は細長いからだで、胴回りが厚い一方、養殖物は体高が高めで、平たいのが特徴です。

天然物は真ごいの2年ものが市場で出回ります。関東では利根川が有名です。

養殖池は、長野の佐久地方をはじめ、福島、群馬、岐阜など全国各地にあります。昔はカイコのさなぎが養殖鯉のえさにされていたそうです。

小野小町も鯉を食べていたことが本に記されています。また、吉田兼好は『徒然草』に鯉の栄養について書いています。

白身魚ですが、アミノ酸の組成は赤身魚に近いのが特徴。タンパク質やミネラルが豊富で、そこから、授乳中の女性が食べると母乳の出がよくなるといわれたのではないかと考えられます。

旬に食べる「鯉」は栄養豊富!

食用として重宝されているのは、中国と日本です。

「登竜門」という言葉は、鯉が急流を登り、やがて竜と化すという中 国の伝説から生まれました。そのため、中国では鯉はお祝いの食卓に 上ります。

くせがある味にはみそがよく合い、あらいの酢みそや甘いみそで煮る 鯉こくは、鯉の料理の代表格。甘露煮もおいしいですね。島根県には、 鯉の身を細く切り、塩ゆでした卵巣(腹子)とあえて食べる「鯉の糸 作り」という郷土料理があります。中華料理では丸ごと揚げる料理が 有名です。

泥臭さがあり、また、脂肪が多いために、鮮度が落ちると味が落ちま す。そのため、あらかじめ泥を吐かせたものを活け締めにしてから調 理します。活け締めは、胸びれの脇を押さえ、肩口寄りの頭の目と目 の間を包丁の峰で力強くたたくことで気絶させる方法が一般的。苔玉 と呼ばれる胆のうをつぶすと魚肉が苦くなるので、おろすときに気を つけます。

産地以外では家庭で食べるのは難しいかもしれませんが、旅行先など で旬の今の時期に食べて栄養をつけるのもいいですね。

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