リンは体内のミネラルではカルシウムについで多く、体重の約1%あり、その8割以上が骨や歯に存在しています。リンがタンパク質やカルシウム、マグネシウムとともに骨の主成分なのです。
また、細胞膜の成分であるリン脂質としても、DNAやRNAなどの核酸の成分としても不可欠です。ATP(アデノシン三リン酸)の成分であり、エネルギーの貯蔵や放出にも重要な役割があります。
心臓や腎臓の働きにも使われ、ビタミンのナイアシンの吸収、ビタミンAやビタミンEの働きにも欠かせないといわれています。
このように、リンはほとんどすべてといえるほどの体内の生理的な化学反応に関わっていると考えられています。
ビタミンDはカルシウムとともにリンの吸収にも役立ちます。マグネシウムもリンの代謝に必要です。
リンは、現代の食生活では一般に不足することはほとんどなく、むしろとり過ぎが問題になることが多いようです。リンとカルシウムは血液中でバランスを取っており、リンが増えるとカルシウムが骨から抜けて血液中に出るようになります。また、リンは腸管でカルシウムの吸収を抑えます。そのため、リンが足りなくても、逆にリンの摂りすぎでも骨や歯が弱くなります。
肉や魚、卵、穀類、ナッツなどに多いのですが、天然の食品のほぼすべてに含まれています。18〜69歳の摂取の目安量は、男性が1050mg、女性が900mgで、70歳以上の男性は1000mg、上限量はいずれも3500mgです。
インスタント食品や加工食品、清涼飲料水には食品添加物のリン酸塩やピロリン酸鉄、ピロリン酸ナトリウムを含むものが多くあります。これらの物質は食品の保存や品質改良に役立つのですが、インスタント食品や加工食品ばかり食べたり、清涼飲料水を大量に飲んだりするのは、上記のようにカルシウムの吸収を抑えるためカルシウムが不足するおそれがあります。
私たちにとって、最も身近な調味料のひとつである、しょうゆ。その原形は、塩漬けの発酵食品をさす「醤」(ひしお)といわれています。
醤には、魚醤や肉醤、穀醤などがあり、『日本書記』や『万葉集』に魚醤や肉醤の記録があります。魚醤は今でも使われていて、秋田のしょっつるや石川のいしるなどは有名ですね。
中国では、魚だけでなく、えびやかに、肉、米や麦、豆などで「醤」(じゃん)が作られ、そのうち大豆や空豆によるものがよく使われるようになりました。おなじみの豆板醤は空豆の醤です。
平安時代には現在のしょうゆのような大豆の醤が調味料として使われていたようです。
鎌倉時代には、禅僧の覚心が径山寺(きんざんじ)みその製法を中国から伝え、和歌山県の湯浅が製造に向いているとして、作り始めました。この径山寺みその製造中にたまる液がたまりしょうゆで、これが調味料として使われ、やがて大阪に伝わり、商品となったそうです。
醤油と呼ばれるようになったのは室町時代の中期とされ、当時はたまりしょうゆと淡口(うすくち)しょうゆが主でした。やがて、しょうゆは江戸にも伝わり、江戸っ子好みの濃い味の濃口(こいくち)しょうゆが千葉や神奈川など江戸の近郊で作られるようになりました。そして、大豆を育てやすく、水路があって輸送が便利であった千葉の野田や銚子が大産地となりました。関西では兵庫県の竜野、小豆島などが産地でした。
しょうゆは大豆や脱脂加工大豆と小麦、食塩で作られます。まず水に浸して蒸した大豆と砕いた小麦を麹菌や酵母で発酵させ、食塩水を加えて熟成させ、もろみを作ります。これを絞ったものが生じょうゆと呼ばれる生のしょうゆで、加熱殺菌したものがしょうゆとなります。
しょうゆ独特のうまみは、グルタミン酸を主として20種類のアミノ酸が作り出しています。また、しょうゆには塩味、甘味、酸味、苦味のすべてが含まれており、複雑なおいしさのもとになっています。
独特の香りは約300種類の成分によって醸し出されていることがわかっています。果物や花、お酒、コーヒーなどと共通する成分も含まれているのです。
次回は、しょうゆの種類や使い方、選び方、保存法についてご紹介します。











