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vol.110 健康編 栄養素 カルシウム 日本人は不足しがちです!
体内で最も多く存在しているミネラル

カルシウムは体重の2%あり、ミネラルでは最も多く体内に存在しています。そのうち99%は骨や歯にあり、カルシウムの貯蔵庫になっています。

骨はコラーゲンによって形作られた鉄骨の周りに炭酸カルシウムのコンクリートがついているというイメージ。かつて生物が海に暮らしていたとき、海中にはカルシウムが多いため、体内にカルシウムを保存する必要はありませんでした。しかし、陸に上がってカルシウムがない環境に暮らすために、脊椎動物は骨にカルシウムを貯蔵するようになったと考えられています。

残りの1%は血液や筋肉にあります。この血液中のカルシウムの濃度は副甲状腺ホルモンによって一定に保たれ、足りなくなるとすぐに副甲状腺ホルモンが骨を溶かすように信号を出します。そのため、副甲状腺機能亢進症になると、骨粗しょう症が進みます。

カルシウムは筋肉の収縮にも関わり、心臓や筋肉が働くのにも欠かせません。血液の凝固、ホルモン分泌、神経伝達、ナトリウムを排せつして血圧が上がるのを防ぐなど、大切な役割を果たしています。

不足すると、骨粗しょう症、筋肉けいれんになりやすく、子どもの場合、骨や歯の発育が遅れることも。

さまざまな食材から、吸収を

日本人はカルシウムが不足しがちです。もともと日本の土壌にはカルシウムが少なく、そのため野菜などにもカルシウムがあまり含まれていません。

目安量は、18〜29歳の男性は900mg、女性は700mg、30〜49歳の男性は650mg、女性は600mg、50〜69歳は男女とも700mg、70歳以上は男性750mg、女性は650mgで、妊娠中・授乳中の女性にはとくに付加する量はありません。いずれも上限量は2300mgです。

牛乳・乳製品、干しえび、小魚、海藻類、小松菜、切り干し大根、ごまなどに含まれています。吸収率は最もいいのが牛乳・乳製品で50%程度、小魚で30%程度、青菜は18%程度です。例えば、牛乳ならコップ1杯(200ml)、チーズなら一切れ(25g)に70mgのカルシウムが含まれています。毎日牛乳・乳製品を摂ることはカルシウム不足の予防に繋がります。

カルシウムの吸収率は年齢とともに下がるといわれています。若いうちに栄養バランスのいい食事をして骨にたくさん貯めること、また年を経るにつれてカルシウムの摂取量を増やすことが大切です。

ビタミンDは腸内での吸収を高めるので、ビタミンDの前駆物質プロビタミンDを含むしいたけを一緒に食べるといいですね。

また、牛乳のたんぱく質カゼインが腸内で分解されてできるCPP(カゼイン・ホスホ・ペプチド)、かんきつ類や酢に含まれるクエン酸もカルシウムの吸収を高めます。

バランス良く摂取し、摂りすぎには注意を

カルシウムがうまく働くにはほかのミネラルとのバランスが大事で、とくにマグネシウムとは深い関係があります。カルシウム2〜3:マグネシウム1が理想的なバランスで、片方が減ると、もう一方が増えてしまいます。

また、リンを多く摂るとカルシウムの吸収が阻害されます。食物繊維の摂りすぎもカルシウムの排せつを増やします。

ただ、カルシウムは多く摂れば摂るほどいいわけでもありません。大量に摂りすぎると便秘や結石を起こす可能性があり、マグネシウムの排せつを促したり、鉄や亜鉛の吸収を妨げたりします。サプリメントなどで摂りすぎないようにしましょう。

食材編 野菜・きのこ エリンギ 食物繊維が豊富で、ビタミンB群のナイアシンが含まれています
くせがなく、いろいろな使い方が可能

1990年代に日本に入ってから、通年栽培されるようになったエリンギ。しめじと同じヒラタケ科のきのこです。

ヨーロッパ原産で日本には自生していないため、和名がなく、学名のPleurotus eryngiiから名前が採られました。地域によって、みやましめじ、あわび茸、かんむり茸、貝柱茸などの商品名がつけられています。

食物繊維が豊富で、きのこの中ではビタミンB群のナイアシンが多く含まれています。

くせがなく、香りも柔らかで、どんな料理とも合います。加熱しすぎてもあまりへたらず、キュッとした歯ごたえが残るのがいいですね。シチューなどの煮込み料理、炊き込みご飯、中華の炒め物、パスタ、スープ、バター炒めなど、いろいろな使い方ができます。

さっとあぶって焼き目をつけ、すだちと塩を添えたり、しょうゆを塗って焼いたりするだけで、ちょっとしたおつまみになります。

カサの薄茶と軸の白の色がきれいで、ふっくらしたものを買いましょう。ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存し、3〜4日で食べきります。使うときには繊維に沿って手で裂くと繊維を傷つけず、より歯ごたえを保てます。

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