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vol.109 健康編 病気・症状 脂質異常症 「高脂血症」の病名が変更
矛盾を解消。「高脂血症」は「脂質異常症」に

今年4月に日本動脈硬化学会から新ガイドラインが発表され、「高脂血症」から「脂質異常症」に病名が変更されました。

コレステロールには悪玉(LDLコレステロール)と善玉(HDLコレステロール)があり、善玉のHDLコレステロールが低い場合も「高脂血症」と呼ぶことは適当ではないこと、LDLコレステロールの検出技術の進歩もあり、従来の総コレステロールを基準にすることをやめることになったのです。

これによって、従来の基準では、善玉のHDLコレステロールが高くても総コレステロールが高くなり、高脂血症と診断されていましたが、今回の変更によりその矛盾が解消されました。

新しい基準では、LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満、トリグリセライド(中性脂肪)150mg/dL以上のいずれかに該当する場合に「脂質異常症」と診断されます。

脂質異常症の予防・改善に、まずは食事療法から!

コレステロールはホルモンや細胞の材料であり、トリグリセライドはエネルギー源となるため、私たちの体には必要不可欠なものです。しかし、長年にわたってコレステロールの摂取過剰が続くと、動脈硬化が静かに進行し、いろいろな部位で重篤な疾患を引き起こすことになります。中には、脳卒中、狭心症・心筋梗塞、腎硬化症・腎不全、大動脈瘤・閉塞性動脈硬化症・脱疽など、一度発症すると命取りになりかねないものもあります。トリグリセライドの値が高い場合は、脂肪肝に注意が必要です。

脂質異常症の予防・改善には、まず食事療法がポイントとなります。例えば、

  • 動物性の脂質をさけて、多価不飽和脂肪酸を多く含む青魚をとる
  • 卵黄、レバー、えび、魚卵などコレステロールを多く含む食品を摂りすぎない
  • コレステロールの吸収を抑える食物繊維を多く含んでいる野菜、精製していない穀物、豆類、海藻類などをバランスよくとる

といったことを心がけましょう。

効率よく脂肪を燃焼してくれるウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を無理なく継続的に行うことも大切です。

喫煙はHDLコレステロール低下の原因になるだけではなく、健康維持にとっては百害あって一利なし。適度のアルコールは食欲増進やHDLコレステロールの上昇に役立ちますが、飲み過ぎはトリグリセライドの上昇につながります。

脂質異常症は糖尿病と同じように自覚症状がないままに進行するので、日頃から生活習慣に気をつけ、定期的に受ける健康診断の値をチェックしてください。

食材編 果実・種実 いちじく 果糖やブドウ糖、タンパク質、カリウム、カルシウムが含まれています
食感に特徴。生食でも加工しても美味しい、いちじく

いちじくはイラクサ目クワ科イチジク属の落葉樹です。イラクサやクワの仲間というのには驚かされますね。原産は西アジアやアラビアあたりといわれ、紀元前3000年には栽培されていたようです。

日本には17世紀(江戸時代)に長崎に伝わったとされています。今では愛知県、兵庫県、鳥取県など全国各地に産地があります。

漢字で「無花果」と書きますが、実際は花がないのではありません。初夏になると、外から見えない花嚢の内部に白い小さい花をたくさんつけます。

いちじくには蓬莱柿(ほうらいし=品種の名前でもある)、南蛮柿、唐柿などの呼び名もあります。

葉は先が三つあるいは五つに分かれていて、裏には毛が密集しています。旧約聖書にはアダムとイブがエデンの園で禁断の果実を食べた後、裸であることに気づいて、いちじくの葉をつないで腰を隠したと書かれています。

食べているのは果肉ではなく、花托(かたく)です。日本では生で食べますが、中国、イラン、トルコ、アメリカなどでは乾燥したものをおやつにします。イランの乾燥白いちじくはそのおいしさで知られています。

ジャムもおなじみですね。皮をつけたままシロップ漬けにして、煮詰めるとコンポートができます。

乾燥した葉や果実は生薬としても用いられます。昔は葉や茎を切ったときに出る白い樹液も薬として使われていたようです。

果糖やブドウ糖、タンパク質、カリウム、カルシウムが含まれています。タンパク分解酵素が多く、生ハムと一緒に食べたり、肉や魚の料理のソースにしたり、肉・魚料理の食後のデザートにしたりするといいですね。水溶性食物繊維のペクチン(今週のキーワード参照)も豊富で、便秘に効果があります。

赤紫色が均一で、切り口が乾燥していないものを選びます。よく熟しているものは実が割れかけています。食べる直前に少し冷やすと美味。未熟な実は胃を荒らすのでご注意を。

今週のキーワード
ペクチン

植物の細胞壁を構成する成分として、ほとんどの植物に含まれており、人間の消化酵素によって分解されないので,食物繊維に分類されています。いちじくのほか、いちごやりんご、あんず、特に柑橘類に多く含まれています。ペクチンの特長として、ゲル化作用、耐低温性があります。水と砂糖を加え、果実を煮詰めてジャムをつくったり、それを冷凍保存できるのはペクチンのはたらきによるものです。整腸作用による下痢や便秘を予防する効果のほか、血液中の悪玉コレステロールを下げる効果があることから、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病などの予防にも効果的と考えられています。

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