最近、PETという画像診断が普及してきました。PETとは、Positron Emission Tomography(陽電子放射断層撮影)の頭文字を取ったものです。
がんを見るのに優れた画像検査で、早期発見、がんと良性腫瘍の鑑別、がんの広がり方の確認、治療の方針決定や効果判定などに用いられます。
がん細胞は活動が活発で、正常な細胞の3倍以上のブドウ糖を取り込むといわれています。PETはこの性質を利用します。
ブドウ糖の端にポジトロン核種という目印をつけた薬剤(FDG、フルオロデオキシグルコース)を静脈に注射し、1時間ほど安静にして、全身に循環させます。その後、ポジトロン核種が出したγ線(放射線の一種)を検出できるPET装置で撮影すると、ブドウ糖が多く集積している部分が見えます。
PET装置にはMRIのような円筒があり、そこをくぐる間に画像をスキャンしています。通常、頭から太もも上部までの画像が撮影されます。
食後は糖代謝が盛んになり、検査に影響するため、検査前の4〜6時間は絶食になります。撮影しているのは20分間程度です。
臓器ごとの検査ではなく、一度に広い部位を短時間で見ることができる、条件によっては数mmのがんも見つかるというのが従来の検査とは異なる特徴です。
とはいえ、すべてのがんが見つかるわけではありません。PETに使う特殊な薬剤は尿から排せつされるため、尿が作られる過程に関係する部位(腎臓、膀胱、尿路)では診断がしにくく、脳や心臓のようにブドウ糖を多く消費する臓器、糖代謝に関わる肝臓は判定が難しくなります。また、胃腸にも薬剤がたまりやすいので、初期のがんは見つかりにくいのです。小さくて散らばっているがんも発見しにくく、ブドウ糖を取り込まない特殊ながんは写りません。
そこで、X線検査、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像法)、超音波検査(エコー)と併用することで、発見率を上げます。
最近はPETとCTを同時に撮影するPET-CTもあります。
なお、ポジトロン核種からγ線が出るため、少量ですが、被ばくします。そのため、妊娠中、あるいは妊娠している可能性のある女性は受けられません。
薬剤が尿から排出されるまでは丸1日はかかり、その間、体内には放射性物質が入っているので、トイレではよく手を洗い、妊娠中の女性や乳幼児に接触しないほうがいいでしょう。
がん検診は保険診療の対象ではなく、自費で支払うため、10万円前後の費用がかかります。いったんがんと診断された後には、健康保険が適用される場合もあります。
さばの旬の季節がそろそろやってきます。
スズキ目サバ科の魚で、サバ属には皮の波のように流れる紋の「く」の字の模様が濃いマサバ(ヒラサバ)、「く」の字の模様とともに真ん中に小豆大の斑点もあるのがゴマサバ(マルサバ)があります。サバ科にはほかにマグロやカツオ類も属しています。
一般にさばといえば、日本各地の沿岸に生息するマサバをさします。旬は地域によって異なりますが、9月から2月ごろです。
マサバは冬の寒い時期には水深100m以下にすみ、水温が上昇すると接岸して回遊します。春はオキアミ、夏はカタクチイワシやマイワシ、冬は植物性プランクトンを食べています。脂肪がついていたさばが秋になると南下し、その間に身がしまっておいしくなるそうです。
大分県の豊後水道の関さばのほか、高知・土佐清水の土佐さば、神奈川県・三浦沖の松輪さばなど、おいしさで名高いさばがあるのもさば の特徴でしょう。
若狭湾で獲れ、一塩したさばを京都まで運ぶ道である「鯖街道」は有名ですね。夜を徹してこの鯖街道を歩くうちに、京都に着く頃には塩 加減がよくなったといわれます。そのさばを酢じめにした後、昆布で巻き、押し寿司にしたのが鯖寿司です。京都では鯖寿司はお祭りのときに食べる風習があります。
ゴマサバは三陸沖から南太平洋沿岸にすみます。マサバの味が落ちる8〜9月ごろにはよく出回りますが、味は1年中あまり変わりません。 ゴマサバはさば節の原料でもあります。
さばの名前の由来はさばが持つ小さい歯「小歯」が由来という説があります。
さばの背の模様と同じような秋の雲は「さば雲」と呼ばれ、さば雲が広がったときには低気圧が近づいていることが多いといわれます。
アミノ酸が豊富で、うまみがたっぷり。タンパク質や脂肪のほか、鉄、ビタミンB2 、ビタミンDなどを含みます。
「さばの生き腐れ」というくらい鮮度が落ちるのが速い魚で、表面はきれいなのに中が腐っていることも。傷みやすい理由のひとつは、さばは水圧の低い表層にいることが多いため、身が柔らかいこと。また、アミノ酸の一種のヒスチジンがヒスタミンになることも関係しているようです。ヒスタミンはアレルギーを起こしやすいため、さばを食べてじんましんが出た経験のある人もいるでしょう。
傷みやすいこと、また寄生虫のアニサキスが寄生していることがあるので、生食は避けるほうが無難です。しめさば、ばってら(鯖寿司)、塩焼き、みそ煮、竜田揚げ、フライなどがおいしいですね。しょうがなどの香味野菜やみそ、カレー粉で独特の生臭さを抜くといいでしょう。
三枚におろして、一塩したさばを食べやすい大きさに切り、熱湯で霜降りして、大根と一緒にすまし汁に入れる船場汁は、さばの代表的な 料理です。
目が澄んでいる、身が引き締まって硬く、ハリがある、身がピンと反り返っている、皮の模様がはっきりしている、おなかに薄い金色の線がある、エラが赤くて鮮やか、というのが鮮度がいいサバの条件。背の厚みに比べておなかが薄いものは脂ののりがいまひとつなようです。
さばは空気に触れさせないことが大切で、身も割れやすいことから、紙に包み、傷めないように運びます。そして、すぐに海水程度の塩水につけておきます。調理も食べるのも素早いことが鉄則です。











