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vol.081 健康編 その他 BUN、尿酸、総コレステロール等の検査項目があります。血液生化学検査(2)
複合的に診ることで重症度を診断します

先週に続き、血液生化学検査を取り上げます。(注:各検査項目の基準値は検査施設によって異なる場合があります。)

  • BUN(血清尿素窒素)
    基準値:8〜21mg/dL
    血液中に存在する尿素の中に含まれる窒素の量を測定するものです。
    尿素は、エネルギーとして使われたタンパク質の最終代謝産物として腎臓から血液中に排せつされます。
    この量を調べることによって、腎臓の機能に異常があるかどうかを調べます。
    高値を示す場合は、腎臓の障害(腎不全、慢性腎炎、消化管出血、脱水など)、逆に低い値を示す場合は、肝臓の障害(肝硬変、肝炎など)が疑われます。
  • 尿酸(UA)
    基準値:3〜7mg/dL
    細胞の核を構成する核酸(DNA、RNAなど)の成分であるプリン体の最終代謝産物として、腎臓を経て尿や腸管内に排せつされるのが尿酸です。
    血液中1dLに含まれる尿酸の量を調べる検査で、主に痛風などの診断に行われています。
    高値を示す場合は、高尿酸血症が疑われ、持続するとさまざまな合併症の引き金になる場合があります。
    尿酸値が少しでも高めに出る人は、プリン体を多く含む食品(レバー、魚の干物、魚卵、ビールなど)の摂取を意識的に控えるようにしましょう。
  • 総コレステロール(T-C)
    基準値:120〜219mg/dL
  • HDLコレステロール(HDL-C)
    基準値:40mg/dL以上
  • LDLコレステロール(LDL-C)
    基準値:70〜139mg/dL
    コレステロールは脂肪酸の一種で、他の物質と結合していないタイプ(遊離型コレステロール)と脂肪酸と結合したタイプ(エステル型コレステロール)に分けられ、これらの総量を総コレステロールといいます。
    細胞の細胞膜の構成成分として、また、ホルモンや胆汁酸などの材料として体内に広く存在しており、生命維持に欠かせない重要な物質です。
    血液中にはリポタンパク(今週のキーワード1参照)として存在し、比重の大きさによって4つに分けられます。
    生命維持に欠かせないコレステロールですが、多過ぎると血管内の壁に付着して動脈硬化を引き起こします。
    一方、比較的脂肪が少なくて比重の高いHDLコレステロールは、血液中のコレステロールを回収して肝臓へ運んだり、血管内の壁に付着したLDLコレステロールを取り除き、動脈硬化を抑える働きをします。
    HDLコレステロールを増やすためには、タバコを吸わないこと。そして歩行数を増やすことが大事です。
  • 中性脂肪(トリグリセライド)
    基準値:50〜149mg/dL
    中性脂肪も脂質の一種で、血液やリンパ液の中でカイロミクロンやVLDL(超低比重リポタンパク)として存在し、エネルギー源として利用されていますが、余分なものは脂肪組織や肝臓に予備エネルギーとして貯えられます。
    皮下脂肪の多くは中性脂肪です。
    貯蔵量に制限がないので過剰に蓄積された状態が、いわゆる肥満となります。
    肝臓に過剰に蓄積された状態が、脂肪肝です。
    総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪のうち、ひとつでも正常値を上回るか、HDLコレステロールの値を下回ると、高脂血症と診断されます。
    中性脂肪とHDLコレステロールは、メタボリックシンドロームの診断基準にも取り入れられています。
    最近は血液検査で直接測定する方法を採用する検査機関も増えてきましたが、LDLコレステロールの値は、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の値から計算して求められます。(フリードワルドの計算式。今週のキーワード2参照
  • クレアチニン(Cr)
    基準値:0.5〜0.8mg/dL
    食品から摂取されたタンパク質は、尿酸同様、体内で利用された後、窒素化合物となり、腎臓を経由して尿へ排せつされます。
    腎臓の機能が下がると血液中のクレアチンの量が増えるため、他の検査と併せて、腎臓の排せつ機能を診断します。
  • 血糖値(BS、グルコース)
    基準値:空腹時血糖値110mg/dL未満、食後血糖値140mg/dL未満
    糖質は、体内に吸収されてブドウ糖に分解され、血液に取り込まれてエネルギー源として利用されます。
    余分なブドウ糖は、肝臓でグリコーゲンとなって貯蔵され、必要に応じて再びブドウ糖として利用されます。
    血液中のブドウ糖(血糖)は、すい臓から分泌されるインスリン(ホルモン)の働きによって、常に一定の濃度に保たれるようにコントロールされています。
    インスリンの作用が弱まって血糖値が上がった状態が耐糖能異常で、慢性的に持続すると糖尿病を引き起こします。

以上の他にも、ビルビリン(Bil)、TTT(チモール混濁反応)・ZTT(硫酸亜鉛混濁反応)、アミラーゼ(AMY)などの血液生化学検査があり、検査機関により、あるいは、検査結果から複合的に診断するために、任意に行われることがあります。ひとつの検査項目だけでなく、いくつかの検査項目を合わせて見ることによって、疑われる病気を絞り込んだり、重症度を診断します。

食材編 油脂類 オリーブオイル 悪玉コレステロールを減らすオレイン酸等が含まれています!
有史以前から活用されてきた特別な果実

モクセイ科の常緑高木であるオリーブ。その果肉から採油したのがオリーブオイルです。食用油や薬用油、化粧品として、また石鹸の原料 になるなど広く活用されています。

果実は有史以前からいろいろな用途で使われてきましたが、あまりにも古くから活用されてきたため、いつどこで誰が油をとるようになっ たのかなど詳しい歴史はわかっていません。しかし、その枝葉が古代エジプト王朝の棺に納められていた事実もあり、昔からオリーブが人々にとって特別な存在であったことは確かなようです。

オリーブは旧約聖書にも登場します。有名な「ノアの方舟(はこぶね)」では、地が乾き、木々も芽を吹いた証(あかし)としてハトがオリ ーブの若葉をくわえてノアのもとに帰ってきます。以来、ハトとオリーブは平和の象徴となっています。

眩しい日の光と地中海の香りを浴びたオリーブたち

地中海沿岸ではオリーブ栽培の歴史が古く、今もギリシアやイタリア、フランス、スペインなどで産出されています。日本では1874(明治7)年、イタリアから輸入された苗のオリーブが初めて結実しました。日本におけるオリーブオイルの産地と言えば、香川県の小豆島ぐらいで、ごく少量しか産出されていません。

オリーブの品種は50種類以上に及びます。果実は緑色、淡黄緑色、紫黒色へと変化しながら熟します。紫黒色は完熟期のサイン。オイルを作ること自体は非常に簡単で、果実を搾るだけでオイルになるのは実はオリーブだけなのです。オリーブのフレッシュジュースは、搾ってからしばらくすると油分と水分に分かれます。その上澄みがオリーブオイルです。

オリーブオイルは次のように等級分けされています。

  • バージンオイル:
    いわゆる一番搾りで、化学処理を加えていない。食味と香りのよいエクストラバージンオイルが最高級品
  • オリーブオイル(あるいはピュアオリーブオイル):
    バージンオリーブオイルと精製オリーブオイルのブレンド品。
  • オリーブポマースオイル:
    オリーブのポマース(一番搾りの残り滓)をさらに搾った精製オイル。

オリーブオイルは産地や品種によって味が異なり、ワインのようにラベルを見てもテイストの見当がつきませんから、いろいろなオリーブ オイルを試して、それぞれの味や香りから自身の好みを見つけてください。

オリーブオイルがヘルシーなオイルであることは、ご存じの方も多いでしょう。それは成分に関係しており、オリーブオイルの約75%はオレイン酸やリノール酸などの液状グリセリドで、残りの約25%はパルチミン酸やステアリン酸などの固形グリセリドです。オレイン酸は酸化しにくく、悪玉コレステロールも減らしてくれます。

今週のキーワード
リポタンパク

脂質やコレステロールは、水には溶けないので、水に溶けやすいアポタンパクやリン脂質を包み込んで合成し、血液中に存在します。
リポタンパクは、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、アポタンパクによって構成されており、それぞれの構成成分の構成比によって比重とおおきさが異なります。
最も比重の高いものから順番に、HDLコレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、カイロミクロンの4つに分けられます。

フリードワルドの計算式

コレステロールの値は、食事によって変化しやすいため、空腹時に採血して測定します。悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールの値は、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の値から求められます。(総コレステロール)−(HDLコレステロール)−(中性脂肪)×1/n=(LDLコレステロール)
中性脂肪の値が150mg/dL未満の場合は、n=3、150〜300mg/dL未満の場合は、n=4、300〜750mg/dLの場合は、5を算入します。
120mg/dL未満であれば問題ありませんが、140mg/dLを超えると高脂血症と診断されます。
健康診断の結果表を見ながら、ご自分のLDLコレステロールの値をチェックしてみてください。

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