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vol.076 健康編 病気・症状 年齢や性別に関係なく、誰でも痔になる可能性があります。 健康ですか?おしり
デリケートな肛門

排便が順調ならば全然気にならないのに、便秘や下痢をしたとき、痛みや出血があったときにだけ気になるのが肛門です。今回は肛門の仕組みと、肛門の病気の代表、痔についてのお話です。

肛門の長さは3cm程度。その真ん中あたりにギザギザした部分(歯状線)があり、そこから上は大腸と同じように自律神経が支配していて、痛みを感じません。また歯状線から下は皮膚と同じ脊髄神経に支配されており、痛みを感じます。つまり肛門は直腸と皮膚をつなぐ器官で、歯状線を境に直腸に似た組織と皮膚に似た組織に分かれています。

肛門が排便のときにだけ開くのは、肛門の周囲に内肛門括約筋と外肛門括約筋という2つの丸い筋肉があり、その筋肉が肛門を閉じているから。内肛門括約筋は自律神経に支配されていて、肛門にいつも一定の圧力をかけ、肛門を閉じさせています。そのため、就寝中やぼーっとしているときでも便が出ることがないのです。一方、外肛門括約筋は脊髄神経に支配されており、自分の意思で締めたりゆるめたりできます。

あなたも痔主の可能性が・・・?

肛門は座っているときはもちろん、立っているときにも上半身の体重がかかって、うっ血しやすく、また排便のときには圧力がかかります。そのため、血液の流れが停滞しやすくなっているのです。もともと皮膚に近い肛門上皮はほとんど伸び縮みしません。そのため硬い便が通ると傷ついてしまいます。このように肛門はデリケートなつくりになっており、それが痔を引き起こす背景になっています。

年齢や性別に関係なく、誰でも痔になる可能性があります。実際、自覚症状のない人も含めて、かなりの人が痔になっていると考えられています。

痔には大きく分けて、1いぼ痔(痔核)、2切れ痔(裂肛)、3痔瘻(じろう)の3つがあります。

痔核は肛門を締めるクッションの役割をしているひだの部分が大きくなったもので、程度の差はあれ、だれにでも見られる状態です。内痔核と外痔核があります。先に述べたように、肛門の内側には痛覚がないため、内痔核は痛みがありません。しかし、出血したり外に飛び出したりするため、排便のときに気になります。大きくなると手術することになります。外痔核は出血しにくいのですが、痛みがあります。ひどくなると血栓ができて出血したり、肛門から飛び出してもどらなくなったりします。歩けない、座れない、排便できないといった状況になることも。手術をすることはあまりなく、薬で治療をすることがほとんどです。

裂肛は便秘のときに肛門に強い力がかかって裂けたり、下痢で粘膜が傷ついたりして起こります。痛みが強いのですが、出血は少なめです。軽い症状なら自然に治りますが、排便のたびに傷が広がるため、なかなか治らず、潰瘍になることも。そうなると手術の対象になります。

最も治りにくいのが痔瘻です。肛門の周囲に開いた小さなくぼみに感染が起こり、管のように伸びて、膿がたまってしまいます。化膿しやすく、おできのようなできものができることも。痛みが強く、熱も出ます。再発を繰り返す場合には手術が必要です。

あなたもすでに痔主かもしれませんし、痔だと自分では思っていても、直腸がんなどの可能性もあります。気になる症状があれば、恥ずかしがらずに専門医を受診しましょう。早期に発見できれば手術が必要ないケースがほとんどです。

朝食を食べて便意を起こさせる、便意を我慢しない、適度に水分と食物繊維を摂る、ストレスをためない、運動をする、同じ姿勢を続けない、からだを冷やさない、飲酒しすぎない、肛門を清潔にするといった点に気を配ることも、痔の予防、治療になります。

食材編 果実・種実 くるみ くるみは世界で数百種類あります。
くるみが美味しい季節です

「黒い実」「くるくる転がる実」から名づけられたといわれる、くるみ。長野県や東北地方での収穫がそろそろ終盤を迎えています。

くるみの木は、北半球の温帯の涼しく、雨が少ない地域を好み、日光や高温を嫌います。日本には北海道から九州まで自生しています。初夏に咲く花は、立っているのが雌花、垂れているのが雄花です。

くるみは世界で数百種類あり、日本では原産のオニグルミに加え、江戸時代にカシグルミ、明治時代にペルシャグルミが輸入され、交配も進みました。

オオバタグルミという初期のくるみの化石が世界各地で見つかります。日本で最初にオオバタグルミの化石を発見し、学会報告したのは宮沢賢治で、『銀河鉄道の夜』にも主人公がくるみの化石を見つける話が出てきます。現在ではオオバタグルミは北米にのみ残り、もっと小さい品種が主流になっています。

硬い殻を割って、実を食べるほか、実からは油も搾られます。油は食用のほか、化粧品や香料、油絵の具などに使われます。アロマテラピーのマッサージのときに精油を溶かすキャリアオイルにも利用されます。

殻を細工した民芸品も見かけますね。殻を細かく砕いたものも研磨剤や化粧品、タイヤの材料などに使われています。くるみの木は家具の材料、樹皮や葉は染料に。まさに生活に根付いた木といえるでしょう。

欧米でもくるみは人気のナッツで、火の中での爆ぜ具合で恋占いをするそうです。

チャイコフスキー作曲のバレエ『くるみ割り人形』は主人公の少女がクリスマスプレゼントとしてくるみ割り人形をもらうことから、とくに11、12月によく上演されます。

脂肪酸が多いのですが、血栓を予防し、コレステロールを下げる不飽和脂肪酸(今週のキーワード参照)が主で、ビタミンB群なども含まれています。

そのまま食べるほか、お菓子には和洋中を問わず使われています。日本ではくるみゆべしのような伝統的な和菓子が有名ですね。

くるみ豆腐、あめ炊き、くるみみそ、刻んでおひたしやサラダにかける、揚げ衣にする、ごまと同じようにすってあえ物にするなど用途はいろいろ。酢やみそ、しょうゆといった日本の調味料と相性がいいのがうれしいですね。

そのまま食べるときも料理に使うときも、オーブンや電子レンジ、フライパンを使ってさっとから煎りすると、香りと歯ごたえが楽しめます。

殻を割るときには合わせ目に沿ってくるみ割りで割ります。くるみ割りがなければ、水につけてから網であぶると割れ目が入りるので、そこからナイフなどで割りましょう。手を傷つけないように気をつけて。

酸化しやすく、ほかの食品のにおいが移りやすいので、密閉して冷蔵または冷凍で保存しましょう。1年くらいは食べられます。殻付きならばそのままで日陰に置きます。

今週のキーワード
不飽和脂肪酸

脂肪酸は三大栄養素のひとつ脂質の構成成分で、効率よくエネルギーを生み出し、細胞膜や血液の成分としても重要な役割をもっています。脂肪酸には、構造的(炭素を中心に水素と酸素が結合した高分子化合物)な特徴から大別して、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。不飽和脂肪酸は、さらに一価不飽和脂肪酸と多価脂肪酸にわけられ、多価不飽和脂肪酸には、n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸があります。一般的に、動物性脂肪には飽和脂肪酸が、魚類の脂肪にはn-3系脂肪酸が、種実などの脂肪には各種の脂肪酸が多く含まれています。
一価不飽和脂肪酸やn-3系脂肪酸には、悪玉コレステロール(LDL)を減らし、善玉コレステロール(HDL)を減らさない、あるいは増やすはたらきがあります。一方、n-6系脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らすだけでなく、善玉コレステロールも減らしてしまい、過剰に摂りすぎると肥満につながる場合があります。
一価不飽和脂肪酸には、オリーブ油や菜種油に含まれるオレイン酸。n-6系脂肪酸には、紅花油(サフラワー油)、レバーや卵白などに含まれるアラキドン酸。n-3系脂肪酸には、ハマチやサンマ、ウナギなど魚類に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)などがあります。脂肪酸は、種類によって正反対のはたらきをすることもあり、過剰に摂取すると体内に蓄積されて肥満につながりますので、いろいろな食品からバランスよく摂取することが必要です。「第六次改定日本人の栄養所要量」(1998年厚生労働省)では、脂肪摂取の比率を、飽和:一価:多価=3:4:3、n-6系:n-3系=4:1と設定しています。

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