秋や春のような季節の変わり目や梅雨には、ぜんそくの発作が起こりやすくなります。
ぜんそくは慢性の呼吸器の病気です。気管支に炎症が起きていて、粘膜が過敏になっています。そこにホコリやタバコの煙、花粉などのちょっとした刺激物が来ると、気管支の周りの筋肉が収縮し、むくんで細くなるため、呼吸が苦しくなるのです。胸がゼーゼー、ヒューヒューといった音を立て、粘り気のある透明なたんが出るのも特徴です。
ぜんそくの兆候は、以下のようなものです。
- タバコの煙やホコリのある場所で咳が止まらなくなることがある
- 走ったときに咳が出る・風邪をひいた後に咳が長引く
- 春や秋、梅雨、季節の変わり目になると咳が出る
- 夜中に咳が止まらなくなって、起き上がってしまうことがある
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と胸の奥が音を立てる(喘鳴:ぜんめい)
ぜんそくは放置するとひどくなることがほとんどで、また肺気腫(今週のキーワード1参照)など似た病気の可能性もあるので、気になるときには必ず受診しましょう。
子どもの場合は3歳以下での発症が多く見られ、子ども全体の有病率は3%前後です。アレルギーとの関連が強く、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎になったことがあったり、両親のどちらかがぜんそくであれば、ぜんそくになりやすいと考えられます。
最近、大人になってからの発症が増えています。アレルギー体質を持っている人とそうでない人は半々くらいで、はっきりしたアレルギーがない場合には重症化しやすく、治りにくいのが難点です。空気中の粉じんやタバコの煙、ストレス、風邪などが炎症や発作の誘因となると考えられます。
発作で死亡することもあるだけに怖いイメージがあるかもしれませんが、最近は治療法が進み、起こった発作を止めるよりも、ふだんから気管支の炎症を抑えて、発作を起こさないようにする治療法に重点がおかれています。
まず、アレルギーが関係している人では、アレルゲンを減らすことです。アレルゲンがたまりやすい布製のソファや座布団、ぬいぐるみなどを置かず、掃除をこまめにします。空気清浄機を使うのもおすすめです。ペットも飼わないほうがいいでしょう。
また、気管支など呼吸器の粘膜を乾燥させすぎないように、室内の湿度を50〜60%に保ちます。
薬を使う治療では、炎症を抑える吸入ステロイド薬、気管支を広げるテオフィリン(ゆっくり効くタイプ)やβ2刺激薬、抗アレルギー薬を長期間使い、コントロールします。そして発作が起こったときには、すぐに効くタイプのテオフィリンなどを使って呼吸を楽にします。
ふだんからピークフローメーターという器具を使い、最大呼気速度(充分息を吸い込んで思いっきり早く吐き出したときの最大の息の速さ)を測定して記録しておくと、気管支の状態がわかり、ぜんそくが起こってきているかどうかがつかめます。
日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会では、ぜんそくの治療に関するガイドラインを作成しており、治療の方法は標準化されています。学会が編集した患者さん向けのハンドブックが出版されていますし、ホームページにも病気や治療の解説があるので、病気について知りたい人は利用するといいでしょう。
ぎんなんが穫れる季節になりましたね。茶碗蒸しやがんもどきの中に緑のつややかな粒を見つけると、なんだかうれしいものです。おでん、焼きぎんなん、串揚げ、炊き込みご飯もおいしいですね。
ぎんなんはイチョウの種子で、強烈なにおいを放つ外皮種を取り除くと出てくる殻(内皮種)の中の胚乳を食用にします。
久寿、金兵衛、藤九郎、栄神といった品種があり、7〜11月くらいまでの間に収穫されます。
イチョウの木は古生代に誕生し、1億5000年前のジュラ紀に世界中に森林があったとされ、現在は中国や朝鮮半島、日本に残っていて、「生きた化石」と呼ばれています。日本で植樹されたものがほとんどです。
「銀杏」という字は「ぎんなん」とも「イチョウ」とも読みます。中国ではイチョウの葉の形が鴨の脚に似ているため、イチョウに「鴨脚(ヤオチャオ)」という呼び名があり、これが日本でイチョウと呼ぶようになった理由だといわれています。
もうひとつイチョウには「公孫樹」という字も当てられます。実がなるまで20年以上かかるため、王様(公)が植えてもぎんなんが食べられるのは孫の代であるというのが由来だそうです。
ちなみにイチョウには雄の木と雌の木があり、実がなるのは雌の木だけです。雄の木の花粉が雌の木の花の胚珠(はいしゅ、種になる部分)に付き、花粉から精子が出て受精します。イチョウに精子があるのを世界で初めて発見したのは日本人で、1896年(明治29年)のことでした。
葉に深い刻みがあるのが雄の木、ギザギザがないのが雌の木で、雄の木のほうが高く伸びるようです。実を見るだけでは雌雄のどちらかはわかりません。
イチョウの実の強烈なにおいで環境をよごさないように、東京都環境局の道路緑地係のはなしでは、苗木の段階で雄の木を選別して植樹しているそうです。
生命力の強い木で、樹皮がコルク質であるために害虫や火災に強いのが特徴です。大火事のときに水を噴いたとの伝説も残っており、火事の多かった江戸に植えられたため、今でも東京には多くのイチョウの木があります。イチョウの葉が東京都のマークにもなっているのはそんな理由があるのです。
熊本城は別名「銀杏城」と呼ばれます。熊本城を築いた加藤清正が籠城した場合に備え、食糧確保のために植えたといわれています。
適度な硬さと柔らかさを持つために、木材としては、まな板、将棋盤や碁盤などに利用されています。また、最近は、イチョウの葉のエキス(今週のキーワード2参照)の薬効が注目されています。
ぎんなんには、カロテン、ビタミンC、E、カリウムなどが含まれ、血栓ができるのを抑えるギンコライドという特有の成分があります。
漢方では夜尿症や咳止めなどに使われてきました。しかし、メトキシピリドキシンという有毒成分があり、ビタミンB6の働きを阻害して、たくさん食べると中毒を起こします。乳幼児には食べさせないほうが無難です。子どもで7粒以上、大人で20〜40粒以上が中毒が起こる目安で、食べてから1時間から半日以内に、嘔吐、めまい、下痢、便秘、けいれん、呼吸困難、発熱などの症状があらわれます。
落ちた実を拾うなら、外皮種にかぶれないよう、手袋を忘れずに。土に埋めるか水に浸けて外皮種を腐らせた後、水洗いして落とし、よく乾かします。
殻はペンチなどで割るか、殻の合わせ目を上にし、包丁の背で手首のスナップを効かせながら軽くたたきます。封筒に入れて、封筒の端を数回折り曲げ、電子レンジで加熱してはじけたところで、熱いうちに殻をむくという方法もあります。殻に割れ目を入れ、フライパンで空炒りしたり、オーブントースターで焼いたりしてもいいでしょう。薄皮はひたひたの水でゆで、玉じゃくしの背で転がすようにするとうまくむけます。
買うときには殻が白く、表面がつるりとしていて凹凸のないものを。振ってカラカラと音がしたら未成熟かもしれません。採取後、長く置くと中身が縮み、色が落ちるので、3カ月間以内に食べきりましょう。残ったものは、ビニール袋やネットに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。
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肺では、吸い込んだ空気から血液中に酸素を取り込み、不要となった二酸化炭素と入れ換えて呼気として吐き出していますが、その役割を担っているのが肺胞と呼ばれる、ちょうどぶどうの房のような形をした組織です。この肺胞の組織と呼吸細気管支が拡張し、破壊される疾患を肺気腫といいます。 イチョウの葉にはイチョウ独特のギンコライドのほか、多種類のフラボノイド類が含まれています。血液循環をよくし、抗酸化作用も強いため、認知症の改善や循環器系の病気の予防に役立つとされています。ヨーロッパなど海外では医薬品として扱われている国もあります。ただ、偏頭痛を起こす作用もあるとされているので、注意が必要です。 |











