カラダのみはり番ネット

  • 健康コラム
  • 前へ
  • バックナンバー 一覧へ戻る
  • 次へ
vol.073 健康編 その他 血液の部分を調べるのを一般血液検査といいます。一般血液検査
血液からわかること

血液は全身のすみずみまで酸素や栄養分を運び、二酸化炭素や老廃物を運び出す働きがあります。血液は常に各臓器や組織の健康状態を反映しているので、体のどこかに何らかの異常があると血液の成分にその影響があらわれます。

血液は血球成分と血漿成分に分かれ、血漿成分から血液凝固因子を除いたものを血清といいます。

採血した血液を試験管で放置しておくと、体液成分としての上澄みの黄色い液体部分と細胞成分である赤い沈殿物の2層に分かれます。黄色い上澄みの液体が血清成分で全体の約55%、赤い沈殿物が血球成分で全体の約45%です。

血清成分の約90%が水分で、血液凝固因子を含むタンパク質は約8%、その他2%。血球成分のうちでは赤血球が多く約96%、白血球が約3%、血小板が約1%となっています。

一般血液検査の項目は以下の通りです。

■赤血球数(RBC)
<基準値>男性:400万〜539万個/μl
女性:360万〜489万個/μl

  • 血液中の赤血球の数を調べるもので、貧血等の疾患を診断します。
  • 赤血球の寿命は約120日なので、毎日4〜5万個が脾臓や肝臓で破壊(アポトーシス :今週のキーワード参照)される一方、骨髄で新しい細胞が作られるため常に入れ替わっているわけです。
  • 赤血球は酸素の運搬を担っているため、不足すると体内の各細胞が酸欠状態になり、貧血症状があらわれます。鉄欠乏性貧血の場合は、 日頃の食事でレバー、あさり、ひじき、大豆製品、ほうれん草、小松菜など鉄分を多く含む食品を摂るように心がけましょう。これらの食品には同時に造血ビタミンと呼ばれるビタミンB12、葉酸などが多く含まれています。
  • 逆に血液中の赤血球の数が増えすぎると血液の流動性が悪くなり、血管が詰まりやすくなります。造血細胞の増殖や、造血を調節するホルモンの分泌過多の他、ストレス、喫煙などが原因になることもあります。

■白血球数(WBC)
<基準値>男性・女性:3200〜8500個/μl

  • 白血球の数は変動しやすいので、基準値は幅広くなっています。喫煙、激しい運動や入浴直後、食後などに数値が高くなります。
  • 感染症の有無、免疫力の低下を診断する目安となります。細菌感染症の場合や白血病などにより骨髄が異常増殖した場合は上昇、ウイルス感染症では減少することもあります。
  • 異常値が出た場合は、必ず再検査しましょう。

■血小板(PLT)
<基準値>男性・女性:14.0万〜35.9万個/μl

  • 出血傾向や血栓症の診断のための検査です。
  • 血小板には血液凝固させて出血を止める働きがある一方、粘着性があるので、少ないと出血しやすい反面、多いと血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞の危険性が高まります。
  • 血小板の数が10万個以下になると止血作用が低下し、5万個以下になると出血しやすくなります。

■ヘモグロビン(Hb)
<基準値>男性:13.0〜16.6g/dl
女性:11.4〜14.6g/dl

■ヘマトクリット(Ht)
<基準値>男性:39.0〜48.9%
女性:34.0〜43.9%

  • ヘモグロビンは赤血球に含まれる色素でタンパク質の一種です。
  • 血液が赤く見えるのはヘムが鉄と結合したことによるもので、ちなみにエビやカニ、イカの血が青く見えるのは、銅を主成分としているためです。
  • ヘマトクリットとは血液中に占める赤血球の割合を示しています。血液の流動性にも関係してくるので、一般的に女性が男性よりも長生きすることの理由のひとつに挙げられることもあります。
  • 赤血球数を含めた3つの数値は密接に関連しているので、合わせて診断することにより貧血の種類を特定するのに利用されます。

■MCV(平均赤血球容積)
<基準値>男性・女性:78〜101fl

  • 赤血球の容積の平均で、赤血球の大きさがわかります。

■MCH(平均赤血球血色素量)
<基準値>男性・女性28〜34.9pg

  • 赤血球中に含まれるヘモグロビンの平均値で、ヘモグロビンと赤血球の比から算出します。

■MCHC(平均赤血球血色素濃度)
<基準値>男性・女性31.2〜35.8%

  • 一定量の血液中の赤血球容量に対するヘモグロビンの割合で、ヘモグロビンとヘマトクリットの比率から算出します。
  • MCVが高めで、MCHとMCHCがやや高めの場合は「大球性正色素性貧血」である、というように、そのバランスによって貧血かどうかを診断することができます。

■赤血球沈降速度(赤沈、ESR)
<基準値>男性:1〜10mm
女性:2〜15mm

  • 抗凝固剤を混ぜた血液を細長い試験管に入れ、垂直に立てて、赤血球が1時間に何mm沈んだかを観測測定します。さまざまな病気の初期の段階で異常値を示すことがあります。
  • 1時間値が20mm以下未満であればほぼ問題ありませんが、異常値のときは扁桃腺、慢性気管支炎、肺結核、関節リウマチ、貧血などが疑われます。また、50mm以上では、肺炎、肝硬変、進行性のがんなどが考えられます。もちろん病気を確定診断するためには、さらに精密検査が必要です。

一般血液検査における各項目は、ほとんどの医療機関で採用していますので、自分の定期健康診断の結果通知票をよく見るようにしましょう。また、日本赤十字社は献血をした際に一般血液検査を採用していますので、その結果も参考になります。

※基準値は、検査の方法と使用する検査機器により医療機関ごとに異なる場合があります。本文中の各基準値は、目安としてご覧ください。

食材編 ハーブ・調味料・香辛料類 胡椒 殺菌・抗菌作用が強く、肉のくさみを消します。
金と同じ価値があったことも

世界中、どこの地域でも胡椒を使った料理が食べられるといわれます。胡椒が「スパイスの王様」と呼ばれるのも理解できますね。

胡椒はコショウ目コショウ科のつる性の常緑樹から採れます。小さな実はぶどうの房のように連なり、最初は緑色で、熟すにしたがって赤くなります。

インド南部原産で、紀元前500年代から栽培されていたといわれています。現在では、インドのほか、マレーシア、インドネシア、ブラジルなどで生産されています。

殺菌・抗菌作用が強く、肉のくさみを消すため、冷蔵庫もなかった昔には、食品の保存や料理に多用されました。とくに大航海時代には、船の上での食料の保存と調理に欠かせないものとなったのです。金銀と同様に扱われたという話も残っていますから、かなりの貴重品。逆に、胡椒などの香辛料を運ぶために航海術が進歩したという側面もあります。

日本には、中国の「胡」の国を通じて伝わりました。一般に使われるようになったのは江戸時代。唐辛子が一般化する前にはうどんにも入れられていたといいますから、人気があったのですね。

ピリッとした辛味はピペリンとチャビシン、香りはテルペン類が主成分です。

種類によって用途を分けて

黒胡椒は、未熟な緑色の実を採り、黒くなるまで乾燥させたもの。辛味が強く、肉料理との相性は抜群です。煮込み料理やスープ、ピクルスにはホールの形のままで、ステーキやサラダなどには粗挽きにして使います。

白胡椒は完熟の実を水に浸け、皮をやわらかくしてから、皮をむいてあります。黒胡椒の4分の1ほどの辛味で、香りも上品です。魚料理、ホワイトソースを使うクリームシチューやグラタン、目玉焼き、マッシュポテト、ラーメンなどに。

グリーンペッパーは未熟な実を生のまま塩漬けや酢漬けにしたものです。辛味が強く、肉料理に使われます。また、未熟な実をフリーズ・ドライ製法で乾燥させたものもグリーンペッパーと呼ばれます。これは香りも辛味もおだやかで、さわやかです。

ピンク・ペッパーは完熟の胡椒の実の塩漬けをさすことも、コショウボクやナナカマドのような別の植物の実をさすこともあります。

黒胡椒と白胡椒は、ホールをペッパーミルに入れて、食卓で挽くと香りが高いのでおすすめです。

保存は冷暗所で。あまり長く置くと、香りが飛んでしまうので、少量ずつ買って使い切るといいでしょう。

なお、九州などでは唐辛子のことを胡椒と呼ぶことがあります。大分名物のゆず胡椒には、ゆずの皮のペーストと唐辛子、塩が入っていますが、胡椒は入っていません。

今週のキーワード
アポトーシス

プログラムされた細胞死、アポトーシス
細胞レベルの死には、“殺される死”(壊死、ネクローシス)と“通常の死”(不要になった細胞の死、アポトーシス)があります。感染ややけど、血流減少などによるもの(梗塞)がネクローシスで、オタマジャクシがカエルに変態する際の尻尾がなくなる現象、人の胎児の指などの形成過程はアポトーシスの仕組みによるものです。ギリシア語の「apo-」(離れる)と「ptosis」(下降する)の合成に由来します。
体内で、がん化した細胞の多くはこのアポトーシスにより取り除かれており、免疫システムにも重要な役割を果たしています。木々の葉っぱが美しく徐々に紅葉しはじめ、やがて枯葉となって落ちていく景色にもの悲しさを感じる季節になってきます。この「枯葉が落ちる」のがアポトーシスそのものなのです。

このページのトップへ

  • 前へ
  • バックナンバー 一覧へ戻る
  • 次へ