心身の健康のために運動はどのくらい行えばいいのか、そのための指針を厚生労働省が作っているのをご存じですか。
1988年に健康維持のために望ましい運動量の目安を示した「健康づくりのための運動所要量」が策定され、1993年には運動を普及させることで健康な生活を送るための「健康づくりのための運動指針」が発表されています。
そして今年7月、ふだんの身体活動量や運動量と体力の基準値が「健康づくりのための運動基準2006」として示され、それをもとに「健康づくりのための運動所要量」が改定されて、「健康づくりのための運動指針2006」として発表されました。
前回の1988年の運動所要量はとくに冠動脈疾患を対象としていたのですが、今回は生活習慣病全般をターゲットとしています。
日本人の死因の約6割は生活習慣病と関連しており、その背景にはメタボリックシンドロームがあります。メタボリックシンドロームとは、 内臓肥満に糖尿病や高血圧、高脂血症が重なった状態で、動脈硬化が進行するもので、脳卒中(脳梗塞や脳出血)虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)、解離性大動脈瘤、腎硬化症・腎不全、閉塞性動脈硬化症といった病気になりやすくなるのです。
「健康づくりのための運動指針2006」では、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する動きを「身体活動」とし、「身体活動」を体力の維持や向上を目的として計画的・意図的に実施する「運動」とそれ以外の「生活活動」に分けています。
身体活動の強さは、安静時の何倍にあたるかを示す「メッツ」(今週のキーワード参照)という単位で示すことになりました。例えば、座っている状態が1メッツで、普通に歩くと3メッツにあたります。そして、そこに活動時間を加味して、「エクササイズ(Ex)」という単位で運動量を表します。1時間普通に歩いたときには「3メッツ×1時間」で3エクササイズです。つまり、激しい運動ほど、1エクササイズにあたる時間は短くなります。
1エクササイズの目安は、歩行なら20分、自転車なら15分、子どもと遊ぶのも15分、階段の昇降なら10分、重い荷物を運ぶのが7〜8分です。また、軽い筋力トレーニングやバレーボールは各20分、速歩やゴルフは各15分、軽いジョギングやエアロビクスが各10分、ランニングや水泳が各7〜8分です。
各年代を通じて目標としているのは、「週23エクササイズで、そのうち4エクササイズは運動」というものです。ただ、座っているときの1メッツのような安静時の状態は勘定に入りません。
内臓脂肪を確実に減らすには、週10エクササイズ程度かそれ以上の運動が必要で、これは30分の速歩(4メッツ、100m/分)を週5回に相当します。この分の運動量を増やせば、食事の量を変えなくても、1カ月で1〜2%くらいの内臓脂肪の減少が期待できます。
運動をしないのであれば、1日8000〜10000歩、1週間に56000〜70000歩が目標となります。
今後、ここで定められた数値は、運動量の目安として、スポーツジムや健康診断、医療の場で使われていくことになります。スポーツジムでは、自分にあった運動メニューを作ってもらえるようになるかもしれません。
詳しく知りたい方は、
「健康づくりのための運動指針2006
〜生活習慣病予防のために〜 エクササイズガイド2006」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou01/pdf/data.pdf
「健康づくりのための運動基準2006
〜身体活動・運動・体力〜 報告書」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou02/pdf/data.pdf
をご覧ください。
ぶどうがおいしい季節がやってきましたね。
果物の中では、りんごとざくろとともに歴史が古く、野生種の利用は紀元前8000年ごろの新石器時代から行われていました。
栽培の記録は、紀元前4000年のオリエント、紀元前3000年前後のエジプトで残っています。
『旧約聖書』にも記述があり、また、紀元前2000年代にすでにぶどう酒が作られていたことが壁画に残っており、世界最古の文学作品といわれるバビロニアの『ギルガメッシュ叙事詩』にもぶどう酒について書かれているそうです。
語源はギリシャ語のbotrus、ウズベク語のbudawといわれ、それが中国で葡萄となり、日本でぶどうになったと考えられています。
昔からぶどうは豊穣の象徴とされてきました。ぶどうのつるの描かれた唐草模様の「ぶどう唐草」は中国・朝鮮半島を経て、日本へも伝わりました。これも豊穣のシンボルと考えられていたからかもしれませんね。
ぶどうのつるは茎が変化したもので、支えを巻き取りながら、上へよじ登ります。日本では花の開花は5〜6月、8〜11月に実が熟し、その後、落葉します。
ぶどうは世界に5000種類あり、今でも世界で最も栽培されている果物とされています。
大きく分けると、ロシアのコーカサス地方から地中海東部沿岸にかけてのアジア西南部原産のヨーロッパぶどうと、北アメリカ東部原産のアメリカぶどう(デラウエア、キャンベルアーリーなど)の2つがあります。
ヨーロッパぶどうは品質がよく、アメリカぶどうは病虫害に強いという特徴があり、掛け合わせの品種もたくさん生まれています。
日本では野生種の山ぶどうを利用した記録が『古事記』『本草和名』などにあります。
日本のぶどうの代表である甲州ぶどうは山ぶどうの改良品種で、1186年に山梨県で生まれました。その後、1615年ごろに棚式栽培法が伝えられ、栽培が本格化しました。
明治時代には多くの品種が入ってきましたが、雨が多く、湿っぽい日本の気候にヨーロッパぶどうが合わず、定着しませんでした。
しかし、1888年(明治21年)ごろに、ガラス温室栽培をすることによって、岡山でマスカット・オブ・アレキサンドリアが穫れるようになりました。
今では、山梨、山形、長野、岡山、福岡、北海道などでさまざまな品種が栽培され、中でもマスカット・オブ・アレキサンドリアを改良したネオマスカット、甲斐路、巨峰、ピオーネなどが人気があります。
種なしぶどうはマスカット−ベーリーAを植物生長ホルモンのジベレリンで処理したものです。
ワイン用としては、赤ワインのメルロー、カベルネ・ソービニヨン、ピノ・ノワール、白ワインのリースリング、シャルドネ、果汁用はコンコード、ナイアガラ、べーリーAなどが有名ですね。
ぶどうを乾燥させたレーズンにはトムソン・シードネス、ブラックコリンスといった品種が使われています。
ぶどうは名前の通り、ブドウ糖と果糖が多く、カリウムも豊富です。赤いぶどうはポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く、抗酸化力が強いのが特徴です。タンニンの渋味も強いですね。昔から、利尿、便通の促進、強壮作用があるとされてきました。
買うときには、実に傷がなく、色がまだらでないものを。白い粉(ブルーム)があり、茎にしっかりついていて、硬いものがおすすめです。茎の端が白っぽいもの、軟らかく、しわがあるものは鮮度が落ちています。
ぶどう園などでお試しが許されるなら、一番下を食べてみましょう。ぶどうの実は房の上の肩にあたる部分よりも房の先のほうが甘味が弱いので、一番下を食べると全体の甘味がわかるのです。なお、緑色の品種は黄色みが強いほうが甘くなっています。
硫酸銅などで処理されていることが多いので、軸を持って振り洗いしてから、流水でよく流します。食べる15分くらい前まで冷やしておくとおいしく食べられます。
室温で保存すると発酵してくるため、ペーパータオルで包んだり、通気性のある袋に入れたりして、冷蔵庫に入れます。とくに完熟したものを長く持たせるなら、0〜3℃で保存を。5〜6日以内には食べきりましょう。











