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vol.068 健康編 生活 薬を飲むのは水かぬるま湯で。薬の飲み方
薬を飲むタイミング

病気の治療に欠かせない薬ですが、使い方を間違えると思わぬ事態が起こってしまうことがあります。今回は薬の飲み方の基本や日頃遭遇する疑問について取り上げます。

まず、薬を飲むタイミングの復習から。「食前=食事の30分前」「食直前=食事の直前」「食直後=食事の直後」「食後=食事の30分後」「食間=食事の2時間後」「就寝前=寝る30分前」に飲むのが基本です。

多くの薬が「食後」になっているのは、飲み忘れを防ぐため、また胃に食べ物が入っているので、薬で胃が荒れることが少ないからです。これは処方薬でも市販薬でも同じで、急な頭痛で鎮痛剤を空腹時に飲むといった場合にも、おにぎりやパンなどを少し食べてから飲むといいでしょう。

不整脈の薬や抗生物質などでは、食事の時間に関係なく、決まった間隔で飲み、薬の血中濃度を一定に保つことで効果を上げる薬もあります。

いつ、どれだけの量を飲むかは薬の袋や箱に大きく書いておくと安心です。たくさんの薬を処方されていて、どれを飲んだかわからなくなるような場合には、1回に飲む分をひとつに分包してもらえることがあります。薬剤師に相談してみましょう。

飲み忘れたときにはどうしたらいいかは、あらかじめ医師や薬剤師に聞くことが大切です。一般には、気がついた時間が早ければすぐに飲めばいいし、次に飲むタイミングが近づいていれば、そのときに1回分を飲むといいでしょう。2回分を一度に飲むのは危険です。

服用期間

処方された薬をいつまで使い続けるかも、医師に確かめておく必要があります。症状が出なくなったからといって、勝手にやめてはいけません。症状が出なくなったのは、治ったのではなくて、薬が効いているからかもしれませんし、とくに血圧を下げる薬や不整脈の薬、ステロイドホルモン薬などでは薬をやめると前より症状が悪化する「リバウンド現象」が起こることがあります。しかも、医師は次の診察で薬を指示通りに使ったと想定し、薬の効果や副作用を勘案して、今後の処方量を考えることが多いのです。

ただし、市販の鎮痛剤や胃腸薬などは、症状がなくなればやめるのが前提です。市販薬を長く使い続けなくてはならない状況ならば、診察を受けるべきです。

処方薬でも市販薬でも、そして漢方薬でも必ず副作用があり、またその出方は人によって違います。発疹や発熱、咳、下痢・便秘、怖い夢、記憶力の低下、性的不能など多彩な症状があります。薬を使う前に医師や薬剤師に主な副作用を聞き、薬を使い始めて調子が悪いと感じたら必ず伝えるようにしましょう。

飲み方

薬を飲むのは水かぬるま湯で。コップ1杯(180〜200cc)を用意し、最初に一口含んで口とのどを湿らせ、薬を飲んだ後、水分で一 気に流し込みます。水分なしで薬を飲むと薬の効果が落ちることがあります。また、薬が食道に引っかかり、そこで潰瘍を起こすことも。下剤や抗生物質などはたっぷりの水分を飲むほうが効果が上がります。お茶やコーヒー、ジュースやコーラ、牛乳、ビールなどで飲むと薬の効果が落ちたり、逆に強く出すぎたり、薬との相互作用が起こったりすることがあるので、避けるほうが無難です。

使用期限

処方薬の使用期限は、医師が使用を指示した期間、または処方箋の発行日から指定通りに使用して、使い終わる日と考えましょう。余ったものを前回の病気と似ているからといって使ったり、ほかの人の薬を使ったりすると危険です。

市販薬は3年以上品質が保たれるものは「有効期間」「使用期限」を表示する義務がありません。表示がないものは、未開封できちんと保存されていれば、3年はもつということになります。しかし、見た目やにおいに異常を感じたら、3年以内でも捨てることです。

市販薬の開封後の使用期限は錠剤、カプセル剤、粉や顆粒状の薬は半年、液剤(水薬)は10日が目安です。目薬やシロップ剤、坐薬は冷蔵庫の下のほうに入れるようにします。買った日と開封日を容器に書いておくといいでしょう。

使いやすいようにと薬の容器を入れ替えると、薬の種類や飲み方、使用期限がわからなくなることが多く、変質しやすくなります。容器の移し替えはやめましょう。

救急箱は直射日光、高温多湿を避けて、涼しい場所に置き、1年に1回は点検して整理します。

次回は薬同士の飲み合わせや食事との関連についてのお話です。

食材編 ハーブ・調味料・香辛料類 みそ タンパク質や、ビタミンB群やビタミンEが含まれます。
日本独自の発達をした調味料

日本人の食卓に欠かせない調味料のひとつ、みそ。そのルーツは中国や韓国の「醤」(じゃん)ではないかと考えられていますが、飛鳥時代以降、日本独自の発達を遂げ、今日の形になりました。

最初は貴族階級や寺院にのみ伝わる贅沢品でしたが、大豆の生産量が上がった鎌倉時代からは、鎌倉武士の「一汁一菜」の食のスタイルとともに急速に普及します。また禅寺では多彩なみそ料理が工夫されるようになりました。そして、室町時代には、現在いわゆる伝統的なみそ料理と考えられる料理のほとんどが考案されていたようです。

江戸時代には各地にみそ蔵ができ、自家製みそだけでなく、みそを売り買いするのも一般的になっていきました。江戸に人口が集中し、みそも日本各所から集まったそうです。ご当地みそは今でも名産品として有名なものがたくさんありますね。

土地ごとに特色のある、みそ

みその原料として欠かせないのが蒸した大豆と麹と塩と水。そこに蒸した米や麦が入ると米みそや麦みそになり、大豆のみで作るのが豆みそです。

日本で生産されているみその約8割が米みそです。味と色で分けると、米みその辛口みそには全国に分布している淡色みそや赤みそがあります。米みその甘口みそには、近畿地方や中国地方で作られている白みそ、徳島などで作られている赤みそがあります。なお、白みそは大豆を蒸さずに煮ることで、水溶性の成分が除かれて白いみそになります。

麦みそは子実から種皮がはがれやすい裸麦が使われることが多く、大麦も原料になります。もともと農家の自家用として作られ、全国に分布しています。甘口みそも辛口みそも中国、四国、九州地方で食べられており、辛口みそは関東にも普及しています。

独特の香ばしさを持つ豆みそは別名八丁みそ。愛知、三重、岐阜を中心に生産されています。現在放映中のNHKの連続テレビ小説『純情きらり』は愛知県岡崎市の八丁みその蔵元が舞台のひとつになっていて、番組内や番組ホームページで料理のレシピも紹介されています。

かつては蒸した大豆をつぶしてみそ玉を作り、軒先に吊してカビを定着させ、麹菌のような働きをさせました。また、みそ玉を作るときに中に入った空気中の乳酸菌も働きます。ここにさらに麹を混ぜます。これらの菌がみその発酵の鍵を握っていたわけです。今ではこのような作業が機械化されていますが、時間をかけて発酵させる、みその作り方の原理は変わりません。

みそには加工品もたくさんあります。甘口みそと辛口みそ、砂糖などを混ぜた練りみそには、ゆず、そば、ピーナッツ、白身魚のでんぶなどが入ったものもあり、ご飯やお酒に合いますね。

みその効能

みそにはタンパク質や多くの必須アミノ酸のほか、ビタミンB群やビタミンEが含まれています。大豆の持つサポニンやイソフラボン、レシチンなども摂ることができます。

みそは単に調味料としてではなく、昔から健康保持に役立つとされてきました。75歳と当時では驚異的な長寿だった徳川家康は、「五菜三根」のみそ汁を飲んでいたといわれています。根菜3種類とその根菜の葉など葉もの野菜を5種類混ぜたみそ汁は、まさに栄養たっぷりですね。

みそを長く摂り続けると、ある種のがんが抑制されることが動物実験や疫学調査からわかってきました。また、みそにはコレステロールを下げる効果もあるといわれています。

みそ汁を作るときには、みそは火を止める直前に最後に入れるのが基本です。煮え立たせると香りが飛んでしまうからです。2種類以上のみそをブレンドして、合わせみそにすると香りや風味がさらにアップします。

開封したら、使うたびに空気を抜き、密封して冷蔵庫で保存します。開封していなくても、室温が高いとメイラード反応(今週のキーワード参照)で色が茶色く変わってしまいます。賞味期限はみその種類によって異なりますが、未開封で3〜12カ月です。

今週のキーワード
メイラード反応

糖とアミノ酸から、複雑な過程を経て、メラノイジンという褐色の色素ができる反応で、まだ全容は解明されていません。赤みそはメイラード反応が進んでいて、赤くなっていますし、赤みそでなくても、温度が高い場所ではみそは赤く変色します。メラノイジンは黒ビールやチョコレートの色素で、肉や魚、トーストを焼いたときのこげ、ご飯のお釜につくおこげ、コーヒー豆の焙煎などの色でもあり、また香ばしさの元でもあるのです。この反応は高温になるほど進みます。メラノイジンはそのもの自体が酸化を進めるフリーラジカルなのですが、一方で、フリーラジカルを消す働きも持っており、食品の酸化を抑えると考えられています。なお、人体内でもメイラード反応は起こっていて、糖尿病やアルツハイマー病などと関係があるといわれています。

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