「新陳代謝」「メタボリックシンドローム(代謝症候群)」「基礎代謝」(今週のキーワード参照)など、「代謝」という言葉はよく聞きますが、実際は何のことなのか、わかりにくいですね。
代謝の語源はギリシャ語で「変化」を意味します。
すべての生き物は外から酸素や栄養分を摂取して、それを生命維持に必要な物質に変え、不要なものは排出しやすい物質にして出しています。また、このような体内の化学反応に利用するためのエネルギーを作り出します。こうした物質の変化や入れ替わりが代謝なのです。
代謝を物質の面から見ると、
- 複雑な化合物を二酸化炭素や水、アミノ酸などの簡単な分子構造の物質に分解し、同時にエネルギーを発生する作用(異化作用)
- エネルギーを使って、例えばアミノ酸からタンパク質を作る、というように小さい分子の物質から、さまざまな大きい分子の物質を作り出し、体内に蓄積する作用(同化作用)
という2つの相反する作用があります。
化学反応というと瞬時に起こるものを想像するかもしれませんが、例えば、異化作用でエネルギーを発生させるときにはゆっくりと少しずつ反応が進んでいます。
代謝が行われる経路は全身にたくさんありますが、生命を支えられるように巧みにコントロールされているのがすごいところです。主にホルモンがエネルギー代謝を担い、酵素が物質の分解や合成を担っています。
動脈硬化の危険を高めるメタボリックシンドロームの「メタボリック」(metabolic)は英語で「代謝の」という意味。メタボリックシンドロームでは、とくに糖や脂肪の代謝、中でも分解(異化作用)が異常になっていることから、この名前がつきました。
このように、代謝経路のどこかが調子が悪くなると、心身にはさまざまな影響が出ます。ふだんでも、体が冷えたり、水分を摂りすぎたりしたのをきっかけに、水分代謝が悪くなって、むくみが出たり、食事の時間が取れなくて、エネルギー代謝が落ち、力が出なくなったりといったことを感じるかもしれません。
代謝を整える決定的な方法はありませんが、やはり栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス解消が基本といえそうです。
夏の果物の代表といえば、すいかですね。浜辺やキャンプですいか割りを楽しんだことを思い出す人もいるでしょう。お盆のお供えにするおうちもあるかもしれません。
ウリ科の1年草であるすいかの原産地は南アフリカといわれています。エジプトでは4000年前の壁画に登場していますが、当時は種を食べていたようで、果実を食べる作物になったのは地中海沿岸とされています。中近東や中央アジアの砂漠地帯では飲料用にしていました。
中国語でも「西瓜」と書くように、中国へは西域から伝わり、やがて日本に持ち込まれましたが、その時期ははっきりしていません。江戸時代には「水瓜」の名前でも多くの書物に登場しており、江戸後期には全国で栽培されていました。
明治時代に欧米から多くの品種が導入されました。すいかといえば緑に黒の縞模様だと思いがちですが、昭和初期以前は無地の緑や黒の皮のすいかがふつうでした。果皮が黄色いもの、果肉が黄色のものもあります。現在主流の大玉すいかの果肉はシャリシャリしており、小さい小玉すいかは果肉は少しざらざらしていて皮が割れやすいのが特徴です。
富山特産の黒部スイカは15〜20kgにもなる俵型の大きい品種です。あまり甘くはなく、硬めの食感のピンク色の果肉を持っています。また、果肉が白くて硬い源五兵衛は和歌山特産で、生では食べないのですが、熟していないうちに採って奈良漬けにします。
種なしすいかは、普通のすいかを薬品で処理して作るもので、この技術は日本で開発されました。栽培が難しいこともあって、現在ではほとんど出回っていません。
アフリカや中国では種の大きな品種から種を採り、ナッツとして食べています。
すいかの果肉は9割が水分。甘味のもとである果糖やショ糖が含まれ、またカリウムも豊富です。抗酸化作用のあるリコピンもトマトより多いのです。
東京オリンピックのマラソンで優勝したエチオピアのアベベ選手はすいかの果汁入りの特製ドリンクを飲んでいたといわれています。すいかは暑いときの水分補給にはぴったりですね。
重くて衝撃に弱く、日持ちがしないため、国産品がほとんどです。
丸ごと1個のすいかを買うときには、よくポンポンと軽く指ではじいたり、たたいたりして熟成度を確かめますね。未熟なものや空洞のものは高い音や鈍い音がするからです。ただ、今ではすいかの糖度や熟成の具合を近赤外光センサーなどで調べてから販売することが多いため、あまりはずれはありません。
皮につやがあり、縞模様が規則的なもの、重くて少し長めのもの、お尻の花おちが小さいものがおすすめです。切り分けたものを買うならば、果肉がみずみずしく、締まっているものを選びます。食べる直前に1〜2時間冷やしましょう。果肉に少し塩をふると、甘味を強く感じられます。完熟状態で収穫されるので、買ってきたら早く食べきることが大切です。もしも余ったら、2cm角くらいに切り、バットに並べて凍らせてシャーベットにするのもいいでしょう。皮をぬか漬けにしたり、刻んで酢のものにしたりすることもできます。











