肩こりといえば、肩の周りがこっているように思えますが、実際は首や首から背中にかけての上背部、肩甲骨の上などが痛くなったり動きにくくなったり、重い感じがしたりする状態。肩関節がこっているのではないのです。
もともと肩周辺は頭や腕を支える筋肉や腱が集まり、動くための酸素や栄養が多く必要になります。しかし、重いものを持ったときなどに筋肉が疲労した場合、首や肩、背中の筋肉の緊張が続いている場合には、血行が悪くなり、痛みを発する物質が出てくるのです。
肩こりになる理由には、もともと筋肉が弱いことや筋肉の使いすぎだけでなく、姿勢の悪さ、ストレス、枕やいすの高さが合わない、コートなど洋服が重い、首の骨(頸椎)の変性、パソコンやゲームなどでの目の疲れ、眼鏡やコンタクトレンズが合っていない、脳の病気、肩の腫瘍など、一時的あるいは慢性的な要因があります。
最もよく見られるのはストレスによるもの。ふと気がつくと、肩が上がっていることはありませんか。緊張するととくに左側がこるともいわれています。深呼吸、瞑想、ストレッチ、スポーツ、音楽などで緊張をゆるめるように心がけると、肩こりが楽になるかもしれません。
加齢とともに五十肩(肩関節周囲炎)、変形性頚椎症や頸椎椎間板ヘルニアになっているとき、後縦靭帯骨化症や斜頸、頸肩腕症候群などの病気になっているときにも首や背中がこります。まれに脊髄炎や脊髄膜炎、脊髄腫瘍といった病気が隠れていることも。また、慢性関節リウマチで肩こりがひどくなっているケースもあります。手のしびれや硬直、手のひらのピリピリ感、温度を感じない、物を持ち上げるときに力が入らないなどの症状を伴っているならば、必ず整形外科を受診しましょう。
整形外科では、例えば頸椎の変性では患部を温めたり、けん引したりするほか、ネックカラーという道具で首を固定することもあります。鎮痛消炎薬や筋弛緩薬が処方される場合もよくあります。
五十肩のような肩関節の障害では、温熱療法や運動療法が主流で、肩関節の中で組織が癒着して固くなっている場合には、関節の動きをなめらかにするヒアルロン酸の注射をすることもあります。痛みがひどい場合には薬によって痛みを起こす神経を遮断する神経ブロックも行われます。日常生活で痛みを避けながら、肩をどう動かすかも指導されます。
肩こりに胸やおなかの痛みがあるときには、胆石・胆のう炎、心臓や肺、横隔膜周辺の病気など内臓の変調のサインかもしれません。
肩こりが異常に長引き、痛みがだんだん強くなるとき、背中や首以外のところにも痛みがあるときには、整形外科やかかりつけ医を受診しましょう。
次回はふだんからできる肩こりの予防法、解消法をご紹介します。
5月2日は八十八夜でしたね。八十八夜は立春から88日目にあたり、その3日後が立夏で、八十八夜は春から夏へ変わる、ひとつの節目になっています。茶摘みの時期は産地によって異なりますが、昔から八十八夜に摘まれた一番茶は縁起物として扱われてきました。なお、日本では年4回茶摘みができますが、中でも一番茶が最も品質がよいのです。
お茶は中国では紀元前から薬として飲まれてきました。日本には遣隋使や遣唐使、留学僧が持ち帰ったようです。12世紀に栄西が書いた『喫茶養生記』で茶の効用が知られるようになり、1500年代後半には茶道が確立されて、お茶を飲む習慣が広がりました。
緑茶も紅茶もウーロン茶も同じツバキ科の常緑樹の葉ですが、品種と製造法が違うためにそれぞれの特徴が生まれます。
緑茶は不発酵茶で、茶葉を摘むとすぐに熱を加えて酸化酵素が働くのを止めます。日本茶のほとんどの加熱方法は蒸気での蒸しですが、嬉野茶や青柳茶は煎って加熱します。中国で飲まれている緑茶はほとんどが煎り茶です。
一方、紅茶は完全に発酵させる発酵茶、ウーロン茶は途中まで発酵させた後に煎る半発酵茶です。
香りの成分は酸化酵素で作られるために、緑茶は紅茶やウーロン茶よりも香りは薄めで繊細です。しかし、発酵によって壊されないため、ビタミンCが残っています。
同じ日本の緑茶でも、最も一般的な煎茶、夏や秋に摘んだ大きく固めの葉を原料とする番茶、煎茶や番茶を強火で煎って香りを高めたほうじ茶、番茶や煎茶に煎った米を混ぜた玄米茶、遮光して育てる高級茶の玉露・かぶせ茶、やはり遮光して育てたお茶から葉脈を除き、石臼で挽いた抹茶などがありますね。
お茶にはうまみ、渋み、苦みの3つの味が特徴的ですが、とくにうまみはお茶に多いテアニンなどのアミノ酸、渋みはカテキン(今週のキーワード参照)やタンニンといったポリフェノール、苦みはカフェインによるものが大きいのです。
緑茶を飲むとホッとするのは、グルタミン酸、テアニン、ギャバといったアミノ酸の効果。動物実験からもストレス軽減作用が知られています。カテキンの抗酸化作用、カフェインの覚醒作用と利尿作用のほか、フラボノイド類の口の中をすっきりとさせる効果なども魅力。ほかに、フッ素などのミネラルも含まれています。
高級茶の玉露は、うまみや甘味の成分、とくにテアニンが多くなり、糖や渋みを作るタンニンが少なめになります。煎茶でも高級なものほどアミノ酸とカフェインが多めで、タンニンと糖が少なくなります。
お茶の味を決めるのは、水とお湯の温度、茶葉の量が大きく影響します。水はミネラル分が少ない軟水を。玉露は一人大さじ軽く1杯の茶葉に50〜60℃のお湯20〜50mlを入れ、長めに蒸らします。煎茶は大さじ半分から八分目で、70〜80℃、60〜90mlのお湯を。番茶は大さじ1杯で95℃のお湯130ml、ほうじ茶は大さじ山盛り1杯、95〜100℃のお湯130mlが目安です。
買うときには色鮮やかで香りがいいものを。風味が変わりやすいので、商品の回転のいい、信頼できる店で少しずつ買って飲みきるのがおすすめです。冷暗所か冷蔵庫で密封して保存しましょう。











