ホルモンは血液中に放出される微量の情報伝達物質で、内分泌腺によって作られ、決まった組織のみに働くという特徴があります。
体内で分泌物が出る経路としては、外分泌と内分泌があります。外分泌は、唾液や膵液などがそれぞれの分泌組織から分泌され、管を通じて目的の部位に運ばれるシステムです。一方、内分泌は管がなく、内分泌腺で作られたホルモンが血液中に放出されて、目的の組織に働きかけるのです。
血液中に放出されるのに、なぜ目的の組織にだけ作用するのか不思議ですよね。それはホルモンにはそれぞれ特殊な鍵のような構造があり、目的の組織の細胞のみがそのホルモンの鍵に合う鍵穴を持っているからなのです。
ホルモンにはさまざまな種類があり、それぞれ脳の下垂体(今週のキーワード参照)や松果体、甲状腺、膵臓、性腺などの内分泌腺から分泌されています。主なホルモンを紹介しましょう。
脳下垂体から分泌されるホルモンの代表は、成長ホルモン。体の細胞の増殖を促します。また、プロラクチンは授乳期、妊娠中に分泌が増えるホルモンで、乳腺を発達させて母乳の分泌を促し、また女性ホルモンのうちの黄体ホルモンの分泌も増やします。ほかにも、出産の時に子宮壁を強く収縮させるオキシトシン、抗利尿ホルモンとして腎臓を通る水分量を調節するバソプレシンも出ます。
脳の松果体からは性的発育の抑制に関係し、睡眠等の体内リズムを作るメラトニンが分泌されています。
甲状腺からは細胞の新陳代謝を進めるチロキシン(サイロキシン)、血液中のカルシウム濃度を下げるカルチトニンが分泌されます。副甲状腺(上皮小体) からは逆に血液中のカルシウム濃度を上げるパラトルモンが出ています。
腎臓の上にある副腎では、表面にある皮質からは30種類以上のステロイドホルモンが分泌されています。中でも、主なものは、血液中のナトリウムとカリウムのバランスを取るミネラロコルチコイド、血糖を高め、アレルギー反応や炎症反応を抑えるグルココルチコイド、性ホルモンの3つです。
中心部の髄質からは血圧や血糖、心拍数を上げるアドレナリンやノルアドレナリンが出ます。これらはストレスがかかったときに対応するホルモンです。
膵臓からは血糖を下げ、肝臓での糖の貯蔵を進めるインスリン、逆に肝臓から糖を放出させて血糖を高めるグルカゴン、インスリンやグルカゴンを抑制するソマトスタチンが分泌されます。
卵巣や精巣では性ホルモンが作られ、分泌されます。
それぞれのホルモンの放出されるタイミングや量は、体内の状況やストレスや気温といった外からの刺激によって調整されています。ホルモンはエネルギー代謝、発育、生殖など人間が生きていくのに欠かせない機能を制御しているため、幾重にもフィードバックがかかるようになっているのです。
とくに脳下垂体では甲状腺ホルモンの分泌を促す甲状腺刺激ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌を促す副腎皮質刺激ホルモン、女性ホルモンや男性ホルモンの分泌を促す性腺刺激ホルモンが分泌されています。
また、脳下垂体も視床下部によってコントロールされています。
例えば、甲状腺ホルモンの分泌が増えると、視床下部がその情報をキャッチして、自身が分泌する甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンを抑制し、脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンも抑えられて、甲状腺からの甲状腺ホルモンもコントロールされるのです。逆に甲状腺ホルモンの分泌が減れば、逆の機構で増やすほうに動きます。
このようなホルモンの分泌は先天的な異常、ストレス、加齢などによってうまくいかなくなることがあります。そうするとさまざまな症状や病気があらわれるのです。甲状腺機能亢進症、糖尿病、更年期障害・・・・・・。よく聞く症状が病気の多くにホルモンが関わっています。
体内には主に神経系、免疫系、内分泌系の3つの情報伝達のネットワークがありますが、中でもホルモンを介する内分泌系はゆっくりとしたスピードで作用するという特徴があります。体調のちょっとした変化は実はホルモンの影響かもしれないことを頭の隅に置いておきたいですね。
セリが店頭に並ぶと春の訪れです。セリの旬は2〜4月。春の七草の筆頭に挙げられるくらい、おなじみの植物ですね。セリの名前は競り合って育つ「競り」から来たという説があります。
日本原産で日本や中国で栽培されています。水田で栽培される「田ぜり」小川などの水辺で育つ「水ぜり」、田んぼのあぜで育つ「野ぜり」があります。栄養価は野生のものが高いとされますが、猛毒を持つ種類もあるので、注意が必要です。
独特の香りを作り出すミリスチンやカンフェンという精油成分には発汗、解熱、解毒などの作用が知られています。また、鉄やカリウム、カルシウム、ビタミンC、カロテノイド、葉酸、食物繊維もあり、貧血や便秘、高血圧にいいようです。
アクがあるので、さっとゆでて使うといいでしょう。野生のものはさらに水にさらします。おひたし、汁物の具、おかゆ、天ぷらなどに。
アンコウ鍋のような鍋物に加えるのもおいしいものです。根元が硬ければ、きんぴらにするといいでしょう。肉や魚と組み合わせて、くさみ消しに使うこともできます。
香りが強く、葉が鮮やかな緑色で揃っているもの、茎が細めで、根元にハリがあるものがおすすめ。新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室や冷暗所に保存します。傷みやすいので、早めに食べきりましょう。











